情報科学の基礎 レジュメと試験問題
「情報 −−ディジタルコミュニケーション−−」(3)


教科書「情報 −−ディジタルコミュニケーション−−」 著者などについては、このページの末尾に。

■■■■第3章 情報の収集と発信

p.36 ■■■3-3 快適で安全な情報の収集・発信


■■3-3-1 情報の保管についての心がけ

 ディジタルデータ=扱いやすい。物理表現を変換すれば、媒体を換えられる。ボタン1つで消える可能性もある(情報を記録した紙を物理的に消滅させるのには、手間が掛かる)。

 バックアップ

 ログファイル=通信履歴、アクセス履歴

■■3-3-2 個人情報の保護と情報発信の責任

 プライバシー。他人に知られたくない個人的な情報を他人に知られず、干渉を受けないこと。その権利。
 知られたくない情報は、相手によって異なる。友人同士のちょっとしたいたずらのつもりでも、個人情報をWebに載せてしまったら、世界中の誰が読むかわからない。電子メールを他人に転送するのも同じ。
 最近の商業Webでは、顧客情報などを集めた場合、その秘密を守ることについて、「個人情報の取り扱いに関するポリシー」を宣言していることが多い。

★'97年の立教の2年生に実習の中でウェブページを作ってもらった。優秀作を
http://www.nakano.net/ に載せてある。そのときに、2年生の一部の者は、自己紹介のページにある数値やデータを載せていた。ウェブで公開した際には、その数値を削った。その数値とは、何だろう?

 著作権侵害、名誉毀損などにならないよう注意。

p.38 ■■3-3-3 ネットワークでのマナー

 ネチケット=ネットワーク上のエチケット

 相手の状況を思いやる=電子メールに大きなファイルを添付すると、企業や大学で受け取る人は困らないが、ダイヤルアップ(電話による接続)で接続している人には、大きな負担となる。

 ★ あと、どんなネチケットがあるだろう?

 メーリングリスト=返信の宛先を確認せずに、不用意に返信すると、発信者だけでなく、メンバー全員に返事がいくことがある。ある個人から企業内のメーリングリストに投げられたメールに対し、発信者にだけ返事が行くだろうと勘違いしてラブレターを書いた人がいた。メンバー全員に、「○○さん、私は以前から貴方を…」というメールが届いてしまった。

 匿名=大学の仕組みを使うかぎりは、通常、匿名にはならない。

■■3-3-4 不正な行為から情報を守る

 コンピュータ犯罪
 「セキュリティを守る」、「セキュリティを確保する」

[1]コンピュータウイルス
ワクチンプログラムについては、立教全体で、ワクチンプログラムの会社と契約していたかもしれない。詳しくは、V-Campasの説明を読むこと。

心当たりのない送り手から来たメールは、不用意にあけないこと。
信頼性の確かでないWebページからファイルをダウンロードしないこと。

p.40  [2]なりすまし

(1)使わないユーザIDは削除する。
(2)誕生日や電話番号をパスワードにしない。
(3)パスワードを単純な綴りや単純な数値にしない。
(4)電子メールや電話などでの問い合わせには答えない。

 ▼−−−−−−−−−−−−−−
 なりすましの防止策としてあげなかった事柄を次のうちから選べ。
  a.パスワードを単純にしない  b. 不要IDの削除  c.誕生日をパスワードにしない  d.パスワードに関する問い合わせに安易に答えない  e.パスワードを安易に変えない
 
▲−−−−−−−−−−−−−−

 ウェブページ上でのオンラインショッピングなどでは、なりすまし(他人のふりをして買い物をし、商品を手に入れるが、支払いは他人に押し付ける)、しらばくれ(買い物をし、商品を手に入れるが、請求が来たら買ったのは自分でないと言い張る)、データ改ざん(数量や金額の記録を実績とは変えてしまい、変えてしまった記録を盾に言い張る)、盗み見(他人の電子メールなどを盗み見て、それをもとに、なりすましやしらばくれ行為をする)の危険がある。

 ▼−−−−−−−−−−−−−−
 オンラインショッピングにおける不正行為としてあげなかった事柄を次のうちから選べ。
  a.プロテクト破り  b.しらばくれ  c.なりすまし  d.データ改ざん  e.盗み見
 
▲−−−−−−−−−−−−−−

[3]ファイアウォール

 学外からは、httpプロトコルなど特定のプロトコル以外ではアクセスできないようにする。

p.41 ■■3-3-5 知的所有権・著作権の尊重

 学級新聞に書かれた意見、書籍の内容、ラジオ番組、テレビ番組など=著作物
小学生の絵、小学生の作文=著作物

 マルチメディアタイトルやゲーム=映画の著作物とみなすことが多い

[1]知的所有権の尊重

 私的所有権と知的財産権とは、同義 Intellectual Property Right
著作権法、著作者、著作権者
著作権表示

 著作権=著作物を創作した者に与えられる権利。創作したとたんに生じ、著作者の死後 50年存続。
 他人の著作権を尊重すること=無断で借用しないこと、不当に手を入れないこと

p.42 [2]著作権の侵害

 ★A君のしたことは、悪いことだろうか?

 他人の意見を無断流用
  複製権侵害、氏名表示権侵害

 利用の前に必ず 利用許諾を得ておく必要がある。

 著作者人格権には、公表権、氏名表示権、同一性保持権が含まれる。

[3]プログラムの複製

 シェアウェアソフトを無償といつわって無断配付
  複製権侵害
  フリーウェア(無償) シェアウェア(使い続けるなら支払う)
  フリーウェア、シェアウェアは、著作権放棄ではない

 ▼−−−−−−−−−−−−−−
 以下の文章は、マルチメディアと知的所有権(知的財産権)について述べたものである。[]に最も適する語句を解答群の中から選び、記号で答えよ。

 知的所有権は、人間の知的創作活動から生じる成果物に対して与えられる無体財産権であり、その代表的なものに著作権、特許権、実用新案権、意匠権、および商標権がある。このうち、特許権、実用新案権、意匠権、および商標権は、工業所有権と総称される。

 [ア]は、著作物を創作した者に与えられる権利である。[ア]により保護される著作物としては、小説、音楽、舞踏、美術、建築、図形、映画、写真、コンピュータプログラム、データベース等がある。制作されたマルチメディアタイトルもまた多くの場合著作物であり、動画、静止画または音楽等の素材の複合物であることから[イ]の著作物、美術の著作物、コンピュータプログラムの著作物、またはデータベースの著作物として保護される。著作者は、複製、有線送信、貸与等著作物の利用についての権利を専有する。これらの権利は、その著作物が創作されたときから著作者の死後[ウ]年間存続し、第三者への上とも可能である財産的な権利である。

 マルチメディアタイトルの素材に、第三者の著作物を利用する場合には、まずその著作物の著作権者を特定し、しかる後、著作権者からその著作物についての[エ]を得る必要がある。

 一方、著作者は、人格的な権利として著作者人格権を有する。著作者人格権には、公表権、氏名表示権、[オ]が含まれる。著作者人格権は、財産的な権利と異なり、第三者への譲渡が不可能な著作者に一身専属的な権利であり、著作者の死後であっても、原則として著作者人格権を侵害する行為を行うことはできない。

 空欄ア
 a 占有権 b 主権 c 意匠権 d 著作権 e 同一性保持権

 空欄イ
 a 言語 b アニメ c 番組 d ソフト e 映画

 空欄ウ
 a 1  b 3  c 10  d 15  e 50

 空欄エ
 a 利用許諾 b 承認権 c 占有権 d 事後承諾 e 貸与権

 空欄オ
 a 翻案権 b 同一性保持権 c 複製権 d 著作財産権 e 占有権
 
▲−−−−−−−−−−−−−−

[4]肖像権の尊重

 プライバシーの権利=自分の写真などを自分の了解なく公表されない権利
 パブリシティーの権利=芸能人の写真や似顔絵などが、本人の了解なく、印刷物やWebページに載ることがないという権利。壁新聞などでも基本的にはだめ。


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教科書「情報 −−ディジタルコミュニケーション−−」 (財)画像情報教育振興協会(CG-ARTS協会)刊
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